「子どもは褒めて育てた方が良い」ということは、多くの方が聞かれたことと思います。しかし、アドラー心理学は、「褒めない」そうです。理由は、褒めるという行為は、対等と思ってないからだそうで、対人関係が横の関係ではなく、縦関係(上下関係)になり、褒めることは「評価」につながります。

例えば、部屋にゴミが散らかっているのを拾うと、褒められて育った子どもは、ゴミ箱に捨てる時、誰か見ているか探します。この行為をされ続けた子どもは、誰かの評価を気にして自分で判断できないことになります。

しかし、声をかけないわけではないそうです。大人が子どもに言う言葉は、大人と大人にも言えて、その言葉は馬鹿にされない言葉が良いそうです。

 

何だと思いますか?それは、「ありがとう」だそうです。

 

よく、自尊感情(自分のことを好き)という子どもは、世界に比べて日本が低いと言われますが、叱られて、褒められて育った人は、自分のことを好きではない。(自分に価値がないと思う。)そうです。また、子どもも大人も人間関係で悩むことも多いですが、アドラーは、「あらゆる悩みは対人関係ある。」と言われました。

それではどうすれば良いのかというと、子どもの短所と思っていたことを長所に変えられることが大事だそうで、大人が子どもの見方を変えられる援助してあげることが大事だそうです。例えば、よく親の悩みで、子どもが長続きしない等、「うちの子は飽きっぽい」ではなく「決断力がある」と思えばいいし、「うちの子は性格が暗い」ではなく、集団の中で暗いということは、自分の言動を意識している人。人を傷つけたことがない。要は、「優しい子」だと思えば良いということです。子どもが落ち込んでいるときにどうすれば良いかというと、あまり声をかけないほうが良いそうで、1つだけかける言葉は、「何かできることはある」だそうです。あまり大人が介入すると、大人が解決させることは、自分が持っている解決能力を失うことになるようです。

また、アドラーは、「貢献感があるときに自分に価値があるに人になる。」と言ったそうです。要は、行動ではなく存在に注目すると「ありがとう」が出てくるそうです。

 

「貢献感がある」ということは、自分に価値がある人だと感じ、対人関係に入っていけます。

私は、当園の理念である「共生と貢献」がすぐに頭に浮かびました。「ありがとう」という言葉は大事にしたいですね。